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2011年3月18日 (金)

03/18 【読】 「江戸「うつろ舟」ミステリー(加門正一、楽工社)」

「江戸「うつろ舟」ミステリー(加門正一、楽工社)」

享和三(1803)年、常陸国(現在の茨城県)大洗の海岸に一艘の奇妙な「舟」が漂着した。椀とも釜とも取れる不思議な形状をした舟の中には箱を持った異国の女が一人居て、異国の言葉をしゃべっていたという。江戸時代最大の怪事件に、大学教授で「トンデモ超常現象99の真相」の著書でも知られる加門氏が挑戦する。2008年刊。

大学教授の著書―――ということで論文的な内容(論理的な反面、シンプルで一本道の構成)を想像していたが、違った。文献の調査と分析、そしてフィールドワークによる関連情報の収集から結論を導き出すという、民俗学的なアプローチは論文的なのだが、章が時系列で構成されている点、章を追うごとに新情報が提示され、考察が深まるとともに結論が変化する点は、むしろミステリの構成に近い。とある学会誌に発表したところ、茨城県の郷土史家から連絡があった―――時代をさかのぼる文献が発見された―――など、章を追うごとにどんどんと考察が進むため、読者は最後まで気を抜くことができない。

なお、本書では「うつろ舟」の文献として、最終的に「瓦版刷り物」「鶯宿雑記」「兎園小説」「外国漂流全書」「梅の塵」「漂流記集」(年代順)が紹介されている。どの文献もそれぞれに記載が微妙に異なり、意図的に省略された部分、写本などによって変化した部分もある。これらを手がかりにして「うつろ舟」の真相へと迫るあたりがクライマックスだろうか。江戸時代最大の怪事件にどのように解かれたかは、読んでのお楽しみ。

ちなみに、導入部でUFO事件との関連、UFO目撃の歴史などが語られるが、そこは「トンデモ超常現象99の真相」の著者である。「うつろ舟=UFO」説を信じて疑わない、熱狂的なUFO信者の方はどうか冷静に、最後まで読まれることをお願いする。(2011.03.18)

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