2020年1月 1日 (水)

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2019年1月23日 (水)

01/23 【聴】 Henri Renaud et Son Orchestre (Trio et Octette) / Henri Renaud, Atelier Sawano(AS130)

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 フランス出身のピアニスト、Henri Renaudがリーダーとなって製作されたスウィング・ジャズの隠れた名盤。アルバムは2部構成となっており、前半五曲はHenri Renaud(Piano)のほか5人のブラス・セクション、ベース、ドラムのオクテット。後半五曲はピアノ、ベース、ドラムのトリオ編成という、A面・B面で全く性格の異なる演奏が楽しめる。ちなみにオクテットのブラスはBill Byers(Tb)、Charles Verstraete(Tb)、Fernand Verstraete(Tp)、Allan Eager(Ts)、Jean-Louis Chautemps(Bs)。ベースはアルバムを通じてJean Warland、ドラムはKenny Clarkeが担当する。


 一曲目、"Meet Quincy Jones"のイントロのドラムソロに時代を感じる。一聴して「うわ!これはレトロだ!」と思わせるゆったりとしたドラムのスウィング、しかし聴き進めていくと1957年(昭和で言えば32年になるか)とは到底感じられない、キレのある演奏へと展開していく。Bill Evansを思わせる内省的なHenri Renaudのピアノと、スピード感あふれるブラスの掛け合いがなかなか楽しく、時間のたつのを忘れて聴き入ってしまう。CDゆえにA面とB面の境界に特に何があるわけでもないが、6曲目に入ると急にモダン・ジャズの雰囲気となるあたりが面白い。ベースの存在感、軽快なドラム・パターン、そしてこれまた軽快、快活なピアノ・タッチが実に現代的で、これが60年以上前の作品とは到底思えない。もちろん音質もすばらしく、ちょっと聴きにはECMからのリリースであるかのような静寂感、空気感が漂う。これを好演、名演と言わずしてなんと言おう。(2018.12.18)

2019年1月22日 (火)

01/22 日々雑感

 ダイナミックオーディオ5555を訪問し、久々に島さんにお会いした。

 偶然仕事にスキマ時間ができたことと、日頃感じているオーディオに関するもやもやをなんとかしたかったからだ。

 ダイナといえば、かつては(いまも?)ハイエンドオーディオの殿堂として、特に高い階ほど攻略が難しいシステムを採用しているが、島さんがいる4F(H.A.L.III)は、レガシーなハイエンドシステムと最新のデジタルオーディオを巧みに組み合わせていて亭主のような初心者に毛が生えた人間も憶することなく入ることができる。亭主は以前このフロアでOrpheusを導入したが、あれからかれこれ10数年が経過している。ご無沙汰なのに、亭主の顔を覚えておられて、大変にうれしかった。

 この日はお店の最新システムを聴きながらよもやま話をしたのだが、話題の中心は「CDというレガシーメディアをどうするか」であった。島さんは、極力ダウンロード音源を買うようにしているそうで、CDは30年前の技術であり音質は圧倒的に現在のダウンロード音源のほうが良い、これからはハイレゾ、ストリーミングの時代であろうとの意見。オーディオ専業だった時代からすると、今のような状況は想像できなかったでしょうと訊いたところ、そうでもない、CDを音楽データとして扱いだした頃からネットオーディオ、PCオーディオの普及を予想していたそうである。

 もちろん、CDにはCDの良さがある。ジャケットの美しさ、ライナーノーツを読む楽しみ、メディアそのものの存在感。時代を経てもそれら価値はけっして損なわれることはない。しかしこと音質面でいえば、CDの音質は当然のごとくハイレゾに遠く及ばない。SACDやDVD-Audioなどの失敗もあったが、ヘッドフォンやポータブルヘッドアンプ、USB-DACの時代を経て、音楽がハイレゾ、ストリーミングへと移行していくことはもはや抗うことのない流れなのだろう。

 翻って亭主はどうかといえば、やはり現在も黙々とCDを買っている。今のところその方向性を変える予定はない。聴きたいアーティストの作品がハイレゾでリリースされていないことが第1の理由である。亭主自身自宅でPCオーディオシステムを構築しているが、ハイレゾやストリーミングはほとんど聴かない。聴くのはもっぱらCDからリッピングした音楽データである。ハイレゾ、ストリーミングを推す島さんではあるが、結論を急ぐことはしない。翻って亭主が本当に現状維持でよいのかは正直よくわからない。1000姐さんのように「手間がかかることこそが尊い」と割り切ってもいない。これがモヤモヤの本体である。

 もし仮に宝くじでも当たって、システムをごっそり入れ替えられるだけの金銭的・精神的余裕が生じたらどうだろうか。おそらくネットオーディオやPCオーディオには目もくれず、スピーカ/アンプ/プレーヤを買い替える/買い増すに違いない。イキオイでネットオーディオに手を出すかもしれないが、あくまでも「イキオイ」である。スピーカやアンプのつくりの美しさ、セッティングの楽しみ、そしてシステム全体としての存在感は、スピーカ/アンプ/プレーヤというトリオ編成(そうまさしくトリオ編成なのだ)で過不足なく完結する。スピーカはピアノ、アンプはベース、プレーヤはドラム。オーディオシステムの完成形にピアノトリオを重ねるイメージ、個人的にはわりと気に入っている。

2019年1月18日 (金)

01/18 【読】 「夜の力ーーーウェストバム自伝(ウェストバム、楯岡三和・マルクス・シュレーダー訳、Ele-king Books)」

「夜の力ーーーウェストバム自伝(ウェストバム、楯岡三和・マルクス・シュレーダー訳、Ele-king Books)」


 ドイツのテクノ・レーベルLow Spilit主宰。ドイツの大規模テクノ・イベントLove Parade, MAYDAYなどを手がけ、テクノの大重鎮と目されるWestbamの回想録的自伝。彼の生い立ちから現在に至るまでの様々なエピソードが、ちょっとハイな文体で一冊の本に凝縮されている。


「西の(アフリカ・)バンバータ」を自称、正確無比なDJプレイと"Monkey say, Monkey do"等のヒット曲で知られるWestbam。日本では石野卓球が主催する巨大レイヴWireの常連DJとして人気の高い彼の音楽人生はパンクスから始まった。弟のFabianとともにドイツの都市・ミュンスターに生まれ育った彼は、Fad Gadgetのセカンドシングル"Ricky's Hand"をきっかけにパンクス仲間とつるむようになり、他の多くのヨーロッパ系アーティストと同様にセックスドラッグロックンロールな世界へと入門していく。あるとき、ひょんなことからDJを任された彼は、偶然か必然かはわからないものの強烈な成功体験を得、以降DJとしてのキャリアを歩むこととなる。


 様々なアーティストとの出会いや、巨大レイヴの運営、レーベル経営などが回想録的に語られていて、そのワードのどれもがテクノ・ファンにとっては思わず「にやり」とするものばかりーーーだが、最初の方はドイツローカルすぎてわからない方が多い。石野卓球との「日独テクノ同盟」や日本でのアルバムリリースなどもさっくりと省略されている。Westbam自身日本のファン向けに書いているわけではないので仕方ないが、このあたりの突き放しようがなんともアーティスト的で、テクノファンを自認する亭主にはむしろ小気味よい。一般に受け入れられる内容かといえば「ノー」。Westbam好きな人はどうぞ、程度のおすすめ度ということで。(2019.01.18)

2019年1月14日 (月)

01/14 【聴】 We are Here - 40 years gave passed and we are here - / Gontiti, Pony Canyon(PCCA-50305)

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 GONTITIの活動40周年を記念して製作されたオリジナル・フル・アルバム。インナースリーブのイラストに盟友ミック板谷が参加、かつてのGONTITIを思わせる懐かしい、しかし最新モードの「地球一番快適音楽」が堪能できる。全13曲。


 ゴンザレス三上とチチ松村の二人からなるギター・デュオ、GONTITIが、活動40周年を迎えたことは喜ばしいとともに、本当に意外だ。亭主は大学生の頃(というからもう30年以上前になる)、GONTITIのアルバム"KIT"を友人の小林君が購入して以来の彼らの音楽を追いかけてきた。"KIT"というアルバムは、当時のGONTITIの作風からするとかなり突っ込んだというか、ポップに振れたアルバムだったと記憶している。ハイスピードかつ爽快なギターサウンドはだれもが「おっ」と振り向いてしまうインパクトを持っていて、当時小林君も、また亭主も「おっ」と見事に惹かれてしまった。だが、彼らの真価はむしろデビューアルバムである"Another Mood"、2ndアルバム「脇役であるとも知らずに」にあって、亭主もまたこの2枚のアルバムからどっぷりつかっている。「脇役」に収録の「修学旅行夜行列車南国音楽」は、広島出張から東京に帰る際に乗車した夜行列車の思い出とあいまって、いまでも亭主の原体験として強く残っている。そう、原体験。大事なのは原体験だ。


 一方GONTITIの最新作は、どちらかといえばインパクトよりも癒しを重視していて、リラックス&スムースを自然なかたちで体現している。世間では、ヒーリング・ミュージックと称してなにやらわざとらしい、「ヒーリング」を意識しすぎてかえって胡散臭い音楽も少なくないが、GONTITIのギター音楽は以前も、今もごくごく自然体で、気負っている部分が一切ない。スムースすぎてあっという間にアルバム一枚を聴き終えてしまうほど、自然に耳に、体に染み込んでくる。この自然さがGONTITIの音楽の魅力なのだ。(2018.12.24)

2019年1月10日 (木)

01/10 日々雑感

あけましておめでとうございます。

改めてのご挨拶となります

本年もDomuya Portalをよろしくお願いいたします。


年末年始は基本自宅にいて、掃除をしたり箱根大学駅伝をみたりとごくごく普通の生活を送っていた。マラソン大会が近づいているため朝10kmのランを続けたところ足の爪がはがれそうになってしまったりとか、急遽長野の実家に帰ったりとか報告できそうなネタもあるにはあるのだが、ブログに書くには「ストーリ」が出来上がっている必要があって、断片的な情報だけでは記事にならない。


会社が始まると、体調が悪化し、目の下にクマをつくって資料を作るハメになっている。いっそ半日くらい会社を休んで、車の中で寝ていたら良いかもしれないのだが、そうもいかない事情もある。老骨に鞭打って、という言葉がいよいよ似合う歳になってしまった。悲しいことにもうすぐ生まれて半世紀を迎えることになる。


この自分が50歳まで生きると、かつての自分は全く予想していなかった。中学生の頃は惑星直列で死ぬと思っていたし、グランドクロスで死ぬと思っていたし、1999年7月に恐怖の大王が空からやってきて死ぬと思っていた。サブカル・オカルト関係からすれば自分が齢30を超えて生きられる確率はゼロであった。


気が付いてみればマヤ歴の終わりも、太陽系のフォトンベルト通過もちゃっかり乗り切っていた。まさか東日本大震災で被災するとは思ってもみなかったのだが・・・。津波に流され命を落とした人、原発事故で故郷を追われ、避難先で亡くなった人も多いと聞いている。昭和をおおよそ20年、平成をおおよそ30年漠然と生きてきて、まあなんとなく生き残ってしまった、子供のころから何も変わらぬまま今に至ってしまったと、悄然とする今日この頃である。


今年は新しい元号になるという。平成はまったく散々な時代であった。新しい元号が素晴らしい時代になるかどうかはわからないが、とりあえず元号を3つ跨ぐことができたと他人事のように喜んでみようかと思っている。

01/09 【聴】 Family Book / YMCK, Not(NOT-0020)

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 栗原みどり(Vo)、除村武志、中村智之(Synth)の3人からなるチップ・チューンユニット・YMCKが、ユニット結成15周年を記念してリリースした特別盤。これまでリリースした楽曲のデモ・バージョン、プロトタイプ、アレンジ・バージョンなどを特別編集した全19曲のCDと、YMCKの歴史や豪華ゲストとの対談、ディスコグラフィなどを集めた150ページのムックからなる。


 結成当初は単なるシンセ・ポップユニットだったYMCK。除村氏のアイデアでジャズ+ピコピコサウンドの楽曲を作ったのがきっかけでチップ・チューンユニットとしての活動を開始、以降はチップ・チューンにおける国際的アーティストとしてウサギチャンレコーズ、AVEXなどで活躍していく。クラブイベントや屋外レイヴなどで「チップ・チューン枠」のアーティストとして選ばれた結果、あれよあれよとスターダムにのし上がり、気が付けば世界ツアーをこなすまでの有名バンドに成長する。キャリアを重ねてもブレることのないピコピコサウンドと、ファミコンを意識したライブ・コスチュームが好評を博し、10枚のフルアルバム、コンピレーションへの参加数知れずと活動の幅を広げている。近年はレコード会社をDe De Mouseと同じくNotに移し、De De Mouseとの共作などもリリースする。チップ・チューンの分野はもちろん、シンセ・ポップ、テクノ・ポップの分野において特に成功した稀有な例となっている。


 先にも述べたように、Family Bookはデモ・バージョンやプロトタイプなどを集めた特別盤。生ギターを使ったアコースティック・アレンジ、除村氏、中村氏がヴォーカルを担当するデモ曲など、これまでのYMCKとはちょっと趣の異なる楽曲が収められている。ジャンルに縛られないという点では非常にのびのびと、奔放な作品に仕上がっていて、演奏する側はもちろん、聴く側もまた肩ひじを張らずに聴くことができる。ムックによればそれぞれのメンバーにしっかりとした音楽のルーツがあるそう。ピコピコサウンドが彼らのすべてではなく、そのバックグラウンドに豊かな音楽世界が広がっている。なるほど15年という長い時間活動を続けてきた原動力はこのあたりにあるのだなと、妙に納得してしまった(2018.12.26)

2019年1月 4日 (金)

01/04 【聴】 1974 One Step Festival / 加藤和彦 & Sadistic Mika Band, Idol japan|Super Fuji Discs(JFSP-359)

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 1974年8月10日、福島県郡山で開催された日本初のロック・イベント、「ワンステップ・フェスティヴァル」より、サディスティック・ミカバンドのアクトを収録した作品。11月にアルバム「黒船」のリリースを控え、ノリにのったミカバンドの演奏が楽しめる貴重盤。なお、ワンステップ・フェスティヴァルニハオノ・ヨーコ、クリエイション+内田裕也、四人囃子も参加している。クリエイション、四人囃子の演奏もまたライブ盤として同時発売されているので、興味のある方はそちらもどうぞ。


 サディスティック・ミカ・バンドは、加藤和彦(Vo.G)、ミカ(Vo)、高中正義(G)、小原礼(B.Vo)、今井裕(Keyb)、高橋幸宏(Dr)の6人編成。ライブ・アクトでは彼らの楽曲から「塀までひとっとび」「影絵小屋」「ピクニック・ブギ」「タイムマシンにおねがい」「ダンス・ハ・スンダ」、そして「銀座カンカン娘」「ロックンロールバンド」を含めた7曲が演奏されている。とくに後の2曲はこれまで音源としてはリリースされたことのないレア・トラック。加藤和彦がMCで「ちょっと古い歌ですが」と前置きして「銀座カンカン娘」を紹介しているあたりが可笑しい。「ロックンロールバンド」は小原礼によるオリジナル曲で、12分にもおよぶ長尺の曲。アーティストらのアドリブ演奏、セッションの化学反応でどんどんと曲が展開していく、フェスにぴったりのナンバーだ。


 なお本作の音源はPAからの直録りだそうで、音質はかならずしもよろしくないが、当時の雰囲気を伝えるには充分。なお会場である開成山公園内陸上競技場は、亭主が以前「郡山マラソン」の際に訪れている。マラソン大会の際には出店やらイベントやらでなにやらにぎにぎしかったが、45年前も似たような賑わいがあったと思うとなにやら感慨深いものがある(2018.12.30)

2019年1月 2日 (水)

01/02 謹賀新年

20190101

あけましておめでとうございます。本年も皆様のますますのご発展をお祈りしております。

2018年12月31日 (月)

12/31 【聴】 Chu Kosaka Covers / 小坂忠, Nippon Croun(CRCP-40477)

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 ゴスペル・シンガーとして、また最近では自身の代表作「ほうろう」のリメイクで積極的に活動する小坂さんの2016年アルバム。デビュー50周年記念アルバムとして企画されたもので、自身のルーツであるポピュラー音楽、オールド・アメリカン・ミュージックの名曲をカヴァーしている。全10曲。参加アーティストは小原礼(B)、小林香織(Sax)、佐橋佳幸(G)、鈴木茂(G)、Dr.KyOn(Key)、屋敷豪太(Dr)、そして愛娘であるAsiah(Vo)。気心の知れた仲間と、奔放なアレンジによって生まれた爽快な作品。


 収録曲はYou've Really Got A Hold On Me, (Sittin' On)The Dock Of The Bay, Amazing Grace, You Keep Me Hangin' On, You Are So Beautifulなど。いずれもポピュラー音楽の名曲であり、そのフレーズを聴けばだれもが「ああ」と思い当たる曲ばかり。ただしAmazing Graceなどは、ちょっと気の利いたブギー調にアレンジされていて、一般的な女性ヴォーカルの曲という印象とはかなり異なる。小坂さんとバンドによるかなり本気なセッションが化学反応を起こした結果のアレンジである。化学反応の結果が古い古いアメリカの音楽、ジャズやロックやR&Bのさらに源流をたどる音楽に至ったのは偶然か、それとも必然か。


 なお、小坂さんは本作リリース後に癌が発見され、長い闘病生活へと身を投じることとなる。2018年に見事に復活、最新作「ほうろう2018」では寛解後の力強い歌声が聴ける。こちらもぜひチェックしていただきたいところ(2018.12.31)

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